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地方は「家」に住み、東京は「街」に住む


岡山から上京してから地方と東京の違いを肌で感じてきた。
違いは様々あるが、不動産らしい視点でいうと「家に住むか、街に住むか」という違いがある。

  1. 地方の引越しは「腰を据える」
  2. 東京の引越しは「自分探しの旅」
  3. 東京で生き抜くには

地方の引越しは「腰を据える」

地方は「どの街に住むか」の選択肢は少ない。「この街に住みたい」という動機の引越しはなんてほとんど無いだろう。
車を持つ人が多く、転勤しようが進学しようが引っ越さずとも生活が成り立つのが1つの要因だ。
また、地方は物価が安く家を建てる人も多い。
地方では「家に住む」という意識が強く、引越しは「腰を据える」というイメージが強い。

東京の引越しは「自分探しの旅」

「この街に住みたい」という動機でお部屋探しが始まるのは、東京ならではだと思う。上京して1番驚いたのは、1駅ごとに街のカラーがあることだ。
もちろん通勤・通学がきっかけのお引越しが大半だが、その中で「どの街が自分にとって良いのか」という選択肢は地方の何倍も存在する。

ちなみに私が最初に住んだのは西新宿で、飲食店も洋服も、キリがないほどに選択肢があり、引越してから就職までの数週間は家にいるのが惜しいほど街を散策した。
家自体は築古の寮でしたが、そんなことが気にならないくらい街に魅了されていた。上京して初めて「街に住む」という感覚を味わった。

「あの街に住みたい」と言う動機での引越しは意味自分探しに近い。

引越しを機に「なぜこの街が好きなのか」・「そもそも今住んでいる場所は好きか?嫌いか?」と言う問いが自然発生的に出てくる体。

街を通して自分を知ることができるのが東京の家探しの良さだ。

東京で生き抜くには

街に限らず、東京には地方とは比較にならないほどの選択肢がある。
「何を食べるか」・「何を着るか」・「どこで物を買うか」etc…
選択肢が多いとその分可能性が広がる。私は東京の選択肢の多さに期待して上京した。選択肢が多い分沢山の新しい経験ができると思ったのだ。

その反面で、多くの選択肢に埋もれて自分を見失うことがあることも知った。

多くの情報・多種多様な価値観が存在する東京は、「自分の意思で選びぬく」強さが無いと、知らず知らずのうちに名も知らぬ大勢の意見に流されてしまう。

そして、選択肢があるからこそ自分を理解できることも知った。「選ぶ」という行為は自分の価値観や過去の経験が集約されていると思う。

スシローしか行ったことがない人が、高級寿司に行くのはコスパが悪いと揶揄するのは、スシローを選んでいるのではなく、「スシローしか選べない」状態である。
選択肢を目の前にして己を顧みて、吟味した者のみが「選ぶ」ことができるのだ。

多くの選択肢の中から選び続けることは、自分探しのようなものである。選択肢を目の前にした時に、立ち止まり、己を知ろうとした者だけが最適解を導きだせるからだ。
家探しには自己理解が欠かせないない。

私はまだまだ自分を探すべく、しばらく岡山には戻れそうにない。